ほどよい愛
恭汰は今までになく何度も私を愛してくれた。
ベッドの中で片時も私を離そうとせずに、ただ気持ちを刻みこむように。
そんな時間を受け入れながら、何度も意識を失いそうになった。
激しい愛し方は今までも何度かあったけど、私の全てを包みこむように、どこにも逃がさないように深く愛してくれるこの夜は、恭汰に体は押さえ付けられているけれど。
何故か動けなくて切ない思いをしているのは恭汰じゃないかと感じる。
「悪い…。優しくしてやれなかった」
「…大丈夫」
「それに、まだ足りない」
また伸びてくる恭汰の腕が私を引き寄せる。
体は既に何度も愛された震えに自分のものではないみたいだけど、私も恭汰の胸に体を寄せた。
「…今夜は帰るなよ」
「…!」