ほどよい愛
『未来』と『過去』
①
恭汰に溺れるままに溺れていた週末を終えて月曜日を迎えると、再び仕事に追われる現実に気付く。
「相模課長、昼から打ち合わせの時間下さい」
「現場に資材の確認に一緒に行って欲しいんですけど」
……部屋中に飛び交う周囲からの声に対応している恭汰の姿を見ていると、今朝まで一緒に過ごしていた人と同じ人なのかと不思議に感じる。
お互いに抱き合って甘い時間を過ごしたのは…夢…じゃないよね。
…そう、夢じゃないって認識させられる声が響いた。
「相模くん、週末ありがとね~」
いまだに聞けないままの今村さんとの関係。
その本人が恭汰の机の側にやってくるのを、少し離れてコピーを取りながら目が追ってしまう。