ほどよい愛
ガラスケースの中からそっと恭汰の『未来』を出して床に置く今村さんは、『話題作りになるのかしらねぇ』
とぼそぼそつぶやきながら軽く溜息をついている。

「あの…」

とにかく気になる事を聞いてみる。

「何?」

「あの…来週の受賞式が終われば、この模型はまた戻ってくるんですよね?」

私が今この場所にいられるのも、恭汰の温かさを感じる事ができるのも、きっかけはこの模型だから…。

私の近くからなくなるのは、つらい。

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