ほどよい愛
「相模くんにとっては、この模型って全然いい思い出じゃなくてむしろ…忘れたい思い出の象徴なの」

「忘れたい…?」

ためらいながら、考えながら話す今村さんが、私にとても気を使っているのを感じて。

今村さんにも恭汰にも、何だか罪悪感を感じる。

「聞いてるかもしれないけど…大学時代から付き合ってた彼女との『未来』を形にしたのが、この模型なの」

私の表情を探るように不安気に見つめられるけれど…多分私の表情は堅いまま何も変化は出てないと思う。

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