季節を旅する者
俺には美江がいる。

いくらけんかしたからって彼女なのだからな。



本を読んでいた女子高生は、俺が降りる駅の1つ前の駅で降りた。

この前もそのまた前もそうだった。

しなやかな足どりでドアをくぐり、改札口を通って行ってしまった。

そんな様子を俺はじぃっと眺めていた。
< 16 / 50 >

この作品をシェア

pagetop