彼女の嘘と俺の嘘
目が覚めるのを承知でコーヒーを流し込む。
サキはおれを悩まし、存在を意識させる。
本当に珍しいタイプの女の子だ。
おれは自分で見ても気持ち悪くなるような苦笑いを浮かべているに違いない。
今日、おれは重大なミスを犯した。
チャットで“おれ”から“ぼく”に変わったことをノートに書いておかなければいけない。
普段の自分なら面倒くさがって重要なことを覚えておかなければいけないときでもメモなんてしないが、サキのことになると自然と手が進む。
とても不思議な感覚をサキはおれに与えてくれた。