彼女の嘘と俺の嘘
外灯の明かりがおれを当てて頼みもしないのに際立たせる。
スポットライトを浴びせてもおれに輝きなどない。
ポツ、ポツと雨粒が降り注ぎ、おれは重い腰を上げた。
散策路を抜けると、大きな通りに出る。
目指すはおれにとっての安住の地。
最近はいろんな考え事をしていても自然とそこへ足が向き、9時50分頃にはちゃんとリクライングシートでくつろいでいる自分がいる。
まるで幽霊のような生活。
いや、周りから見れば存在自体が幽霊なのかもしれない。