彼女の嘘と俺の嘘


 今朝、初雪が降った。


 といっても目で確認するのが難しいくらいの粉雪の粒で、雪虫のように風に乗り、アスファルトに落ちては消えていった。


 風が恐ろしく冷たく、おれの体は冷え切っている。


 それに反してサキのテンションは高かった。


『今日ね、ネットで注文したノートパソコンを使ってるんだ』


シバ> 届いたんだ

 と、返事するまで少し間を開けてしまった。


 ノートを見て確認する必要があったからだ。

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