彼女の嘘と俺の嘘
シバ> いないよ。いままでちゃんと付き合った女の子もいないし、隠し子もいない
沈黙してしまうと疑われるので、すぐに返事をかえした。
文字を打ち終わり、エンターキーを押したあとで、おれはミスに気づく。
高校1年生と名乗っているのに、隠し子というのはあまりにも過剰な答え。
冗談だと判断してくれることを祈るしかない。
サキはしばらくなにかを考えていたのか、一拍置いてから喋り始めた。
『シバ面白いね。サキは安心したぞよ』
サキは冗談として受け取ってくれたらしく、おれはひと安心。