彼女の嘘と俺の嘘


 ここまできたら自分の体を嘘で塗り固めるしかない。


 とことん嘘を貫き通すしかない。


 サキは今日の出来事を話し終えたあと、口調がまったりとしてきた。


 時間は午前1時22分。


『あぁ~シバに彼女がいないとわかったらなんか安心して眠くなってきちゃった』

 と言ってからサキの声が音信不通になる。


 おれは慌てた。


シバ> おぉ~い、サキ近くにいるの?


シバ> トイレかな?

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