彼女の嘘と俺の嘘


 おれは呆れながらもデート帰りの電車の中で、彼女が居眠りして肩に寄りかかってくるような幸福感を味わっていた。


 コーヒーを飲みながらひたすらサキが目覚めるのを待った。


 約30分後『ふわぁ~』とかわいらしい欠伸が耳に届く。


『ご、ごめん。気持ち良すぎて寝ちゃった。あっ、ヨダレが……』

 サキの慌てた声を聞いておれはコーヒーを噴出しそうになった。


シバ> サキとチャットしてると飽きないよ


『本当にごめん』

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