彼女の嘘と俺の嘘
おれは忍耐強く待つことにした。
4分後、チャットルームにサキのアバターが現れ、すぐに回線を繋いだ。
『シバ、なにがあったの?』
サキがとても不安そうな声で訊いてくる。
シバ> パソコンがフリーズしてチャットできなくなったんだ
ちゃんと文字が打てるようになっておれは安堵した。
『やっぱりそうなんだ。急にいなくなるから、すごく怖かった』
シバ> 一度電源を切ってから戻ってきたんだ。ところでサキのほうもフリーズしたの?