彼女の嘘と俺の嘘


 おれは忍耐強く待つことにした。


 4分後、チャットルームにサキのアバターが現れ、すぐに回線を繋いだ。


『シバ、なにがあったの?』

 サキがとても不安そうな声で訊いてくる。


シバ> パソコンがフリーズしてチャットできなくなったんだ

 ちゃんと文字が打てるようになっておれは安堵した。


『やっぱりそうなんだ。急にいなくなるから、すごく怖かった』


シバ> 一度電源を切ってから戻ってきたんだ。ところでサキのほうもフリーズしたの?

< 151 / 262 >

この作品をシェア

pagetop