彼女の嘘と俺の嘘


 しかし、サキは沈黙を保ったまま、なにも話さない。


シバ> どうしたの?また故障かな?

 おれはたまらず文字を打った。


『あっ、ごめん。ちょっと考え事してた……ハハハ』

 サキは語尾に笑いを付け足す。


シバ> 言いたくないなら無理に話さなくていいよ


『そんなたいしたことじゃないんだけど』


シバ> サキが話したくなったときでいいよ


『ありがとう!やっぱりシバは優しい』


シバ> どういたしまして

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