彼女の嘘と俺の嘘


シバ> はい、承知しましたサキお姫様


『怒るぞ!』


シバ> きゃぁ~怖い


『ハハハ……』

 サキは底抜けに明るい笑い声を届けてくれた。


 おれのパソコンがフリーズしてチャット不能になったときが嘘のように。


 この日、チャットが終了したのは午前0時37分。


 回線を切り、おれとサキのアバターがチャットルームから消えた。


 サキとの関係がステップアップしそうな伝言板について注意深くノートに記入していると、画面上に認知されやすいメッセージウィンドウが表示された。

< 160 / 262 >

この作品をシェア

pagetop