彼女の嘘と俺の嘘


 この伝言が事実ならサキは2つの嘘をおれについていたことになる。


 今日のチャットでサキには聞きたいことが山ほどあった。


 すでにサキのアバターはハロー・メッセンジャーのチャットルームで待機していた。


『今日は3分の遅刻だぞ』

 サキのいつもの声。間違っておれに伝言を送ったことに気づいてないみたいだ。


シバ> 遅刻したのはサキのためなんだよ


『どういうこと?』


シバ> 気持ちを静めるのに3分かかった


『なに?どうしたの?なにかあったの?』

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