彼女の嘘と俺の嘘


 白血病という重い病気の告白がされた今回のチャット。


 でも、明るく無事に終わることができたのは不思議だった。


 これはサキの性格、サキのなせる業(わざ)だ。


 この魅力にサキ自身は気づくはずもない。


 別れを惜しみながらおやすみのキスをもう一度くれた。


 ノートに記入を終え、おれはリクライニングシートを寝やすい角度に変えた。


 今夜の眠りはとても深くなる気がした。

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