彼女の嘘と俺の嘘
サキらしく楽しい伝言の中に薄くはあるが黒い影が見え隠れしている。
午前中の講義に出ていないこと、お腹が痛いことも白血病との因果関係を結びつけてしまう。
午後だけとはいえ大学に通えるなら深刻な状態ではないと思いたいが……。
不安を感じながらもおれはパソコンの電源を入れた。
几帳面なサキはすでにチャットルームに入室していた。
『遅刻しなかったね』
シバ> サキに怒られないためにね
『よろしい』