彼女の嘘と俺の嘘
そして、3月末……ケータイに“サキ”からの着信。
声はサキじゃく、本物のお兄さんから……。
なにかあったとき連絡するリストの中におれの名前があったらしい。
ノートはすでに破棄してしまったし、他のシバ達との連絡手段はない。
知らせても彼らにプラスになることはなにひとつない。
サキのことを小説に書いてもいいと言ってくれたのは、自分が生きていたという証を残しておきたかったからに違いない。
久し振りに1行でもいいから書いてみようと思い『君は小説家!』にログインしてみる。