アタシの歌を聴きなさい!




『何か…変?』



『いっ…いいえ!!
えっと…暑く…ないですか?』






ひぃいぃいっっ!!

アタシ…なんて質問を…っ!


とっさに出てしまった言葉にアタシは深く後悔した。



葉桜さんは少し眉をひそめて


『あはは…変だよね…
真夏にニット帽かぶってる奴なんて俺ぐらいかな…

実は…高校行ってなくてさ
…不登校ってやつ?
…それで、知り合いとか同級生に会いたくなくて

こうして隠してるってわけ』


葉桜さんのメガネの奥の瞳は
少し、くもってるようだった。







葉桜さんに辛いこと言わせちゃった…

アタシ……最低………




< 12 / 32 >

この作品をシェア

pagetop