元カレ教師
「滝沢さん、」
山野さんの声にあたしは視界から人々を消した。
「本当に、凄く昔の話だけど…」
あたしは恐る恐る目の前の姿を見た。
唖然として硬直していた。
あたしはまた目を反らす。
そして、
「澄ました顔してんじゃねぇよ!!」
今まで一言も喋らなかった先輩が言った。
あたしはビクッと体を身震いさせる。
「凄く昔の話だ!?
調子乗りやがって、本当は今も付き合ってんだろ!?」
あたしは恐懼で声を失った。
だが、力を振り絞って真実ではない疑いに首を振る。