元カレ教師

「妃奈？」


未来と阿紗子に呼ばれあたしは我に返った。


「うん？」


「何か固まってるから、妃奈の時間が止まったのかなって。」


「違うって。」


そう言って笑ってみせた。


だけど、上手く笑う事が出来なかった。


「妃奈？
そのメール、見てもいい？」


やはりぎこちない笑顔だったのだろう。


未来は目を細めて言った。


「え？
何で？」


「妃奈、全然大丈夫って顔してないから。」


「…でもこのメールはあたし宛のだよ？」


焦ってそう言うと、未来は強硬手段に出た。


「いいから。」


こんなやり取りを、仲良くなって間もない阿紗子はキョトンとした様子で見ていた。


「何これ。」


未来はあたしからケータイを取り上げてそう言った。


キョトンとしていた阿紗子もいつに間にかあたしのケータイを見ていた。


「ひど！！
これ…如月さんからじゃない。」