元カレ教師
「2人とも寒いでしょ?
あんな所に一晩中いて。」
木下先生は職員室で温かいコーヒーをいれてくれた。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「ありがとう。」
あたし達は個々にお礼を言って、コーヒーを口にした。
とても美味しかった。
温かさが冷え切っている体の中心に浸み渡っていく。
…
あたしにジャケットを貸してくれてた北条先生は、もっと寒かったんだろうな。
あ!
「ご免なさい!」
あたしは慌ててジャケットを北条先生に返した。
「別にいいのに。」
北条先生はそう言ってジャケットを受け取った。