元カレ教師


外はもう真っ暗だった。


あたしは何も考えずに帰ろうと思った。


が、そうはいかなかった。


思い出したからだ。


先程泣いていた少女のこと。


…振られたんだろうな。


北条先生に。


あたしはその少女に昔の自分を重ねた。


あたしもあの時、あんな風だった。


あたしはお姉ちゃんが慰めてくれた。


きっとあの少女にも慰めてくる良き友達がいるだろう。


そうであってほしいと願った。


自分が言える立場ではないが、


止まらないでほしい。


北条昴という一人の男の為に。


あたしは足を止めた。


あたしも…


もう一度足を動かした。


予想外の事だった。


彼が転勤するなんて


でもだからかそ…


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