元カレ教師
「妃奈、」
回想に頭がいってたあたしは我に返った。
「うん?」
「頑張れ。」
「え?」
いきなり何を言い出すんだろう。
あたしはそう思った。
「何が?」
「何かは知らないけど。」
更に謎は深まった。
具体的なものは何一つ示されていない。
一体何を頑張ればいいのだろうか。
「何か妃奈、今からが勝負みたいな顔してるから。」
「そう?」
「うん。
何かにケリをつけるみたいな?
よく分からないけどさ、頑張れ。」
お姉ちゃんはそう言って最後のパンを口に入れた。
そして微笑んだ。
そういう事か…
「ありがとう。」
あたしは優しい気持ちになった。
お姉ちゃんは凄いな。
あたしのこと本当によく分かってる。