先輩★内緒の片思い
岸谷先輩の方も、かなりハアハアと息を切らしている。


左右に走って、時にはフライングレシーブしていた南君ほどではないにせよ、スパイクを打つ方だって大変だ。


しかし、武内が「お願いします!」と礼をすると、「おう」と何でもないように受けた。



パス、パス、トス、軽いスパイク、レシーブ、パス、トス、強いスパイク、レシーブ、フェイント、レシーブ、………失敗。


私は球拾いに走り、岸谷先輩にボールを渡した。


砂浜は想像以上に走りにくい。


球拾いですら結構大変なのに、こんなところでプレーするなんて、すごすぎ。



私が10回もボール拾いに走る頃には、武内もへとへとになり、両手をひざについて息を切らしていた。


連続して南君と武内の相手をしている岸谷先輩だってしんどいはず。


そろそろ休憩かなと思っていたら、案の定そこで岸谷先輩が両手を胸の前で交差させ、終了を知らせた。


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