先輩★内緒の片思い
一瞬、真っ青な空に上がった白いボールが、太陽の光に重なって見えなくなった。


目を細め、落ちてきたボールに確実に両手を合わせる。


オーバーで岸谷先輩に戻した。




すごい、すごい、すごい!




私の渾身のボールも拾ってくれて、私が走ればすぐ後ろにカバーに入ってくれて。



絶対にボールが落ちない、

こんな対人、初めてだ!



岸谷先輩のスパイクも受けることができた。


南君や武内と同程度のスパイクも上げることができた。



すごく気持ちいい!



対人がこんなに楽しいなんて!!



岸谷先輩となら、永遠にボールを落とさないで続けられるかもしれない。


こんな楽しい対人ならずっとずっと一緒にやっていたい!


私は再び先輩からのパスを受けるべく体勢を整えて構えた。


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