先輩★内緒の片思い
皿を置いた葉子は、一瞬目を見張った。



ん?

どうかしたか?



しかし、すぐに葉子は笑顔を見せた。


「ああ、うん、いいなあと思って折っておいたの」


「ふうん……
あんまり混むとこは嫌だけど、ここなら近いしいいんじゃないか。
行くか?」


俺が高校近くの花火大会の記事を指差すと、葉子は頷いた。


「うん、そうね、行こっか」


そう言いつつも、葉子は「あ、フォーク、フォーク」とつぶやき、キッチンに戻ってしまった。




いつもいろんなデートスポットを見つけてきては、あっちこっち行きたいと騒ぐ葉子とも思えない。


なんとなく様子が変だ。


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