先輩★内緒の片思い
さっき母が言った言葉が蘇る。


『もし、川にでも落ちていたら……』


公園のすぐ横は一級河川だ。


真っ暗な川は不気味にそこに横たわっていた。


雨で増水した川は普段とは様相を変えていた。


もしこの流れに落ちたら、大人でも助からないかもしれない。


まして、5歳になったばかりの卓じゃ……




どうしよう。


卓……




「たくーーーっ!
たくーーーーーっ!」


私は川に向かって声を限りに叫んでみた。


でも聞こえるのは降り続く雨の音だけ。


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