先輩★内緒の片思い
電話を切り、岸谷先輩に促されて、私は卓と一緒に後部座席に乗り込んだ。




そのとき、卓が両手に何か握っているのに気がついた。


卓の涙で濡れた顔を拭いてやってから、私は卓に聞いた。


「卓、それなあに?」


「……宝物」


「宝物?」


「うん」




卓が握り締めていたのは、この間、卓が遊んでいたおままごとのおもちゃだった。




「おままごとが宝物なの?」


「うん、秘密基地にしまっておいたの」


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