先輩★内緒の片思い
転がったボールは私と武内のちょうど真ん中で止まった。


それを視界の隅に認めながら、私は武内から飛んできたパスをトスした。


南君がボールを拾いに舞台袖から出てくるのが見えた。


そのとき、武内がスパイクを打ってきた。


南君の姿に気をとられていた私はそのボールをレシーブしそこねてしまい、

私の腕から弾けたボールは、一直線に南君の顔面に向かっていった。




「「あぶない!」」




私と武内は同時に叫んだ。


南君はとっさに片足を上げて体をそらし、飛んできたボールをよけた。


よかったぁ。


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