先輩★内緒の片思い
「ほんとにすまなかった」


「いえ……」




すると、先輩はすごく優しい声で私に語りかけてきた。


「なあ、河野?」




ドキン。


そんな声で呼ばれたら、心臓に悪い。




「……はい」




私はドキドキする心臓に「治まれ!」と心の中で命令しながら返事した。


「あの日、キスしたこと自体は嫌じゃなかったか?」




せ、先輩!?


そ、そんなの答えられません!




私が真っ赤になって黙っていると、先輩は続けた。




「俺は今も河野にキスしたい」


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