先輩★内緒の片思い
「いや、ほんとよく頑張ってたと思う。
最初はどうなるかと思ったもんな。
おまえ全然振り付け覚えらんねーし。
でも、弱音吐かないで、ちゃんと練習して最後には完璧にできてた。
すげーなって思ったよ。
だから、文化祭当日、真菜香に呼び出されたとき、おまえを助けたい一心で、気づいたら舞台に出るって言ってた」


先輩……


「まあ、おまえと一緒にまた対人やりたかったってのもあったかな?
いや、どっちかって言うと、武内に嫉妬してたのかも。
今日だって武内のやつ、いいとこ持っていきやがって……」


え、うそ……


先輩が嫉妬!?




「それに今日のOB・OG会の準備だって、おまえすごく働いただろ?
真菜香に聞いて知ってる。
普段のキャプテンとしての仕事に加えて、50周年の準備なんて大変だったろうと思う。
すごく責任感ある奴だなって思った」


ううん、私はそんなに立派じゃないよ。


準備は真菜香だっていっぱいしてくれたし……


「でも、そんなしっかりした面もあるのに、海では無防備にナンパされてるし、なんか放っておけないところもあって。
そのギャップがすごく気になって目が離せなくなって。
おまえのためになら、何でもしてやりたいって、そう思うようになったんだ」


< 369 / 388 >

この作品をシェア

pagetop