先輩★内緒の片思い
「俺じゃあ、ダメか?」
岸谷先輩はそう言って、私の目尻の涙を指でぬぐってくれた。
そして、手のひらを私の頬にあて、私の顔を覗き込んできた。
「なあ、ちゃんと返事聞かせてくれないか。
俺、今、生まれて初めて告白したんだ」
うわ、先輩の顔、近い。
こんな心臓に悪い距離じゃ、まともに喋れないよ……
でも、
でも、ちゃんと答えなきゃ。
「私も、私も好きです……」
私が答えると、先輩は少し心配そうな表情で更に顔を近づけて私の目を見つめた。
「本当に?」