先輩★内緒の片思い
「武内にはいらないだろ」


「え、でも、誕生日祝いにバレーボールを選んでくれたのは武内だって真菜香が言ってたし、そのお礼、私まだちゃんとしてないから……」


「いいんだよ、あれはバレー部全員からのプレゼントだったんだろ?
だったら、武内だけ特別扱いすることないじゃないか」


「え、でも、南君にも買うんだし……」


私がそう反論すると、先輩はまた一つ、カゴからお土産を棚に戻した。


「だったら、南にも必要ない」


「えーっ、ちょっと先輩……」




付き合い始めて約3週間。


先輩の考えてること、まだよくわからない。


でも……


もしかして、やきもち?


いや、そんなわけないか。


私は戻されたお土産は諦めて、でもこれだけは諦められなくて、先輩に言った。

< 378 / 388 >

この作品をシェア

pagetop