先輩★内緒の片思い
でも、そんなことを言ったら、先輩に更にあきれられちゃいそうだから黙ってた。


自分でもわかってるんだ。


欲しくもないものを無理に買ってもしょうがない。


きっと、先輩とはこれから何度でもデートできる。


頼めば、先輩はまたここにも連れてきてくれるだろうし。


でも、


でもね、


わかってるんだけどね、


理屈じゃないんだよね……



私がはぁっとため息をつくと、エンジンをかけた先輩がごそごそとポケットを探った。


小さな紙袋を取り出して逆さにし、中身を手のひらに落としている。


なんだろ?


ぼーっと見ていると、手のひらから何かをつまみ上げ、私の目の前に差し出した。

< 382 / 388 >

この作品をシェア

pagetop