先輩★内緒の片思い
目の前にぶらぶらと揺れていたのは、黄色いカエルがついた携帯ストラップだった。


「交通安全のお守りみたいだけど、おそろいだから」


ほら、と自分の手のひらに残ったもう1つの緑色のカエルのついたストラップも見せてくれた。


色違いのおそろい。


「こっちの色がよければ、こっちでもいいぞ」


ぶっきらぼうに言う先輩がすごく愛しくてなって、私は自然と顔がニヤけてくるを止められなかった。


先輩、お土産買ってくれてたんだ!


「ううん、こっちでいいです!
でも、これ、いつの間に買ったんですか?」


「さっき眠気覚ましにガム買ったら、レジ横にあったから」


私の前からいなくなった、ほんの3分くらいの間に買ってたんだ。

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