先輩★内緒の片思い
「ふうん」


「あの、岸谷先輩は大学の帰りですか?」


「ああ」


「そうですか。
あ、あの、また部活いらしてください」


「おう」



う、もう、話題がない……



私が何も言わないでいると、岸谷先輩は「じゃ」とレジへ足を向けた。


「はい、失礼します!」


慌てて礼をして見送ると、ふと岸谷先輩は立ち止まり、顔だけこちらへ向けた。


「もう暗いから気をつけて帰れよ」


「はい!」



そして先輩はレジで支払いを済ませ、店を出て行った。


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