先輩★内緒の片思い
葉子が何か言おうとしたとき、ケータイの着信音が鳴り響いた。


葉子のだ。


ベッドサイドに手を伸ばして液晶を見た葉子は、ふぅとため息をついて通話ボタンを押した。


「はい。
……うん、大丈夫。
そう、わかった。
平気、ちゃんとやってるって。
しつこいなあ、いい加減にしてよ。
……もういいよ、じゃあね!」



「……おふくろさん?」


「うん」



葉子と一緒にいると、葉子の母親から電話がかかってくることがよくあった。


「毎日だよ、もう、やんなっちゃう」


「娘を東京で一人暮らしさせて心配なんだろ」


「心配性すぎるのよ、あの人は!
もういい加減、うんざり!」


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