先輩★内緒の片思い

「あ、あたし。
今、平気？
佳奈、来週末空いてる？
……うん、……うん、そっかあ。
それじゃ仕方ないね、ううん、いいの。
じゃあ、またねー」


だんだん声のトーンが下がっていったので、たぶん……


「ダメだって」


やはり。


「夏休みはずっとバイト入れて稼ぎまくるんだって」


「そっか」


がっかりしてケータイを無造作に放り出した葉子を見て、俺は聞いてみた。


「俺と二人じゃ嫌なのか？」


「え？べつに嫌ってわけじゃないけど、海は大勢で行った方が楽しいじゃない？」



表情を見る限り、他意はなく、本当にただ大勢で行きたいと思っているだけらしい。


それなら……