坂道
それぐらいの思い出しか、淑紀さんとの思い出はあまりない。


淑紀さんとは歳も離れていたし、一緒に遊ぶほど親しくもなかったからだ。


だから、私もただ勝手に彼を思っていた。


でも……はっきりと覚えている思い出が二つある。


一つは友達と遊んでいて町中で偶然淑紀さんに会ったとき、私はいつものように淑紀さん
をからかう。


そして、淑紀さんはうるさいなと言ったり、私の頭を軽く叩く。


そんな事をしていると、淑紀さんと一緒にいた人たちが私達の行動を見て笑い出した。


それに気づいた淑紀さんは


「おい!なんだよっ」


と少し照れた様子で一緒にいた人たちの所に行った。
< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop