坂道
その時だった、一緒にいた人たちの中にいた女の人達と話しているとき……


淑紀さんが親しげに笑って話していた。


あんな表情見たことなかった。


ただそれだけのことなのに、私の胸はなぜだか痛んだ。


元から淑紀さんとは親しくなかったから、知らなくて当たり前だ。


でも、淑紀さんが遠くに感じて……悲しかった。


それからすぐのことだった。


ある日帰り道にあの坂道を歩いていたとき、偶然淑紀さんがいた。


素直になれない私は、またつい淑紀さんをからかってしまった。


やっぱりいつものように、頭を叩いてきたりするのかと思っていた。
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