先輩と私
2の6
時は15分程前に遡る。
私は、指定された通り屋上にいた。しかし、誰も居ない。
お腹空いたなあ。ささっと終わってくれるといいなあ。
「ごめん、ごめん。遅くなった」
私はそこで自分が彼に見覚えがあることに気付いた。確か、先輩と同じ剣道部の生徒だ。
「大丈夫ですよ。私にお話があるとかって」
「あ〜、うん」
彼は、どこか歯切れの悪そうな感じである。
「どうかなさったんですか?」
「えっと、その〜」
「?」
彼は、どことなくもじもじとした感じで言うか言わまいか悩んでいるようだった。
私の方からは特に用がないので、どうしようもなくて困る。
「あ、あの!」
「は、はい」
いきなり大声を出すので驚いた。
「井上先輩と付き合ってるんですか?」
意気込みに対して、なかなか拍子抜けな質問だった。
「いえ、付き合ってはいません」
本当の事だ。だって、告白したことの無い男女が付き合うという状態になる理由が分からない発言をされているんだから。
「ホントですかっ」
「はい」
彼は、小躍りでもしそうな勢いで喜んでいる。
私は、指定された通り屋上にいた。しかし、誰も居ない。
お腹空いたなあ。ささっと終わってくれるといいなあ。
「ごめん、ごめん。遅くなった」
私はそこで自分が彼に見覚えがあることに気付いた。確か、先輩と同じ剣道部の生徒だ。
「大丈夫ですよ。私にお話があるとかって」
「あ〜、うん」
彼は、どこか歯切れの悪そうな感じである。
「どうかなさったんですか?」
「えっと、その〜」
「?」
彼は、どことなくもじもじとした感じで言うか言わまいか悩んでいるようだった。
私の方からは特に用がないので、どうしようもなくて困る。
「あ、あの!」
「は、はい」
いきなり大声を出すので驚いた。
「井上先輩と付き合ってるんですか?」
意気込みに対して、なかなか拍子抜けな質問だった。
「いえ、付き合ってはいません」
本当の事だ。だって、告白したことの無い男女が付き合うという状態になる理由が分からない発言をされているんだから。
「ホントですかっ」
「はい」
彼は、小躍りでもしそうな勢いで喜んでいる。