先輩と私
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学校を出ると本当に真っ暗だった。伸ちゃん先輩が怯えて沙樹ちゃんにくっついてうざがられていた。
基本的に伸ちゃん先輩は、おしゃべりだから話題に事欠かなくて、とても助かる。それを先輩と沙樹ちゃんがつっこんで、私が笑う。すごく楽しい。
二人と別れると(この時の沙樹ちゃんの嫌がる顔がすごい)先輩と二人きりになる。
会話は無い。
そっと、手を伸ばして握りあう。
住宅街に入り、ほとんど人通りはなく、明かりは、電灯と各家から漏れている光のみ。
ちょっとだけ握る力を強めると先輩もそれにかえしてくれる。
こんな時、私は先輩のことが本当に好きだって思う。
そして、じゃあ、先輩は?って考える。
友達以上、妹以上、後輩以上、恋人未満。
よく分かんないけど、私から見た先輩の私に対する評価。
ちょっと悲しくてすごく嬉しい。
私も先輩も付き合うという形をとりたいとは思ってない。
もし、別れたら今まで通りでいられる?
付き合うのは、本当に私を彼女とみて?仲のいい女の子=彼女って勘違いしてるんじゃないの?
そんな後ろ向きな事ばっかり考える。
私はただ、どんな形であれ先輩との今の関係を変えたくないのだ。そして、それは、きっと先輩も同じ。
少し歩幅を大きくして先輩にぶつかるようにして、先輩の腕に抱きついてみる。先輩が訝しそうにこっちを見た。しかし、引き剥がそうとは、しなかった。それで、十分だ。
告白なんてしなくても良い。付き合うという約束は無いけど十分恋人だ。