DEAR...
名前を呼ばれ振り返ると
「…拓磨」
拓磨が近づいてきた。
拓磨はあの人…
遼と同じでもう一人の幼なじみ。
私にとって親友であり兄、弟みたいな…
家族に近い存在。
「帰るの?」
「うん…」
「久しぶりに朝から来てたのに?」
この頃の私は朝から学校に来ることなんてなかった。
それどころか学校にすら来ないことが多くて
たまに来ても保健室でサボったり
授業を受けることなく帰ってた。
「父親…大丈夫?」
拓磨が心配した表情で聞いてきた。
拓磨は私の家の事情を知ってる。
遼が知らないことも知ってる。
「大丈夫だよ。」
拓磨に心配を掛けたくなくて笑って答えた。
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