DEAR...
――…
「…はよ」
「姫ちゃーん」
学校に行くと柚がすごい笑顔で話しかけてきた。
「なに?」
「遼君が探してたよ。」
「上西(うえにし)が?」
「うん。」
「へー…」
柚は嬉しそうに言ってきたけど
それを適当に流し自分の席に座り机に俯せになった。
アイツが探してたって関係ない。
アイツには会いたくない。
「行かないの?」
「どこに?」
「遼君のところだよ?」
「行かないよ。」
行ってどうなるの?
アイツは私を嫌ってるのに…
「なんで?」
「アイツの顔なんか見たくない。」
私を冷たい目で見るアイツの顔なんて見たくない。
会いたくない。
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