DEAR...


拓磨が転校して一ヶ月が過ぎようとしていた頃


俺たちは授業をサボって体育館裏でタバコを吸ってた。


ここは死角になってて教師ですら気付かない。



「そういえばさぁ…姫菜と遼平ってどこまで進んでんの?」

「は?」



光輝が変なことを言い出した。



「どこまでって?」

「ヤった?」

「…ブッ…ゴボッ……はぁ?」



光輝の言葉に驚いて吸っていたタバコにむせた。



「お前等って付き合って結構たつだろ?」

「あー…うん、ヤった。」

「マジで?」

「どうだった?」

「言うわけないだろ。」



俺の言葉に光輝と祐介は興味津々で聞いてきたけど


それに俺は答えられるわけがない。


姫とヤったなんて嘘だ。


ヤるどころかキスすらしたことない。


…その前に俺と姫の関係って何だ?


付き合ってるのか?


お互いに『好き』とか『付き合おう』とか口に出したことない。


でも
毎日、一緒に帰ってるし
休みの日には一緒に居るから


付き合ってるんだよな…?


.
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