DEAR...


「………」



目が合うと姫はすぐに逸らし
ぶつかって廊下に散らばり落ちた資料らしきものを集め出した


俺は無言で拾うのを手伝ったけど


ふっと見てみると高校の資料だった



「………」



資料を見てみると
福祉科とか
総合学科とか
そんな学科ばかりが載っていて


近くだと地元の高校があったけど…


遠くになると隣県の高校もあった




―…姫が遠くに行ってしまうかもしれない?


今以上に距離が出来てしまう?



「……上西(うえにし)君」

「え…?」

「それ…」



姫が指さしたのは俺が拾った資料



「あー…はい」


俺は気づかないうちに資料を強く握り締めていた

握り締めた資料を渡すと姫菜は教室に戻った


.
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