DEAR...


「………」



私は何も言えなかった


…当たり前だ


私は遼に嘘を吐いた


大嫌いだって嘘を吐いた


でもね


本当は嫌いなんかじゃないんだよ


好きなんだよ…


大好きなんだよ…


裏切られたって好きなんだよ


だけど


それを伝えられる訳ない


私は自分の気持ちとは逆の気持ちを遼に言ったんだ


だから私は…


この嘘を突き通そうと思う



「だいたい、なんでここにいるのよ」

「泉に用があるんだよ」



そう言って遼は泉さんの方へ行った



「姫ちゃん…」

「大丈夫」



大丈夫
私は大丈夫だ


例え、この先
嘘を吐き続けるとしても大丈夫



.
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