再生
第7章
「―夏実?」
夏実は仁志のソファーに潜り込んだ。
ほとんど仁志の上に覆い被さる様になってしまう。
「―どうしたんだ。急に」
仁志は夏実の体が震えていることに気付いた。
「―具合、悪いのか?」
夏実は首を振った。
「顔、真っ青だぞ」
「お願い、今夜だけこうさせて。―凄く、恐いの」
「じゃあ、ベッドに移ろう。ここじゃ狭いから」
夏実は頷いた。
夏実は肝心な人を忘れていた。
本当の婚約者を。