再生
~FLASH BACK~

『―裕?』

家に戻り、部屋の明かりをつける。

裕太はベッドに腰をかけ、一点を見ていた。

夏実が戻ってもずっと動かなかった。

『―裕』

初めて夏実の存在に気付いた様に、夏実に目を向けた。

目が虚ろだった。

こんな裕太は初めて見る。

『裕、聞いて』

『来るな』

『―裕』

『お前が信じられない』

『―話ぐらい…』

『行ってくれ』

裕太は力なく呟いた。


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